山奥というか谷間というか、とにかく緑が豊かでしかない土地で生まれ育ったので、吾輩は都会ガ苦手デアル。と言いながら、プノンペンという緑が極めて少ない大都会に暮らしていつの間にか10年近く、つねに緑を欲している。
そこで、アパートの自室に観葉植物をいろいろ置いてみるのだが、これが、片っ端から枯れる。窓辺に置いてみたり、窓を開けて風を入れてみたりしても、すぐに元気を失い、やがてサヨウナラ状態に。室内がダメなのかと、ベランダの室外機の上に置いてみたら、鳩らがクルックーと鳴いてはフンを落としていく始末。思い返せば、東京に住んでいたころ、幸福の木も金のなる木も、すぐに枯れた。緑が好きなのに緑に嫌われる、これが俗にいう“緑の手”がないということなのだろう。
一方、オフィスときたら、いただいた小さなアロエ2株が大増殖して、株をわけてもわけても鉢から這い出し若干おぞましいくらいになっている。わが家では枯れるモンステラも、オフィスでは次々と新しい葉を伸ばし、緑豊かなワークスペースとなっている。うらやましいことに、スタッフの誰かが“緑の手”を持っているらしい。
わたしは都会に出て正解だったのかもしれない。もし農業などの職に就いたら、わたしが元凶となって毎年大凶作だったことだろう。緑の手に感謝しながら地元産野菜をいただきます。
増子夕夏

おかっぱ書房 Okappa Shobou
プノンペンの片隅でいとなむ代書屋です。原稿の執筆から、Webのコピー、お手紙、など「書く」に関するお仕事をしています。
「書く」交々(こもごも)のご相談もたまわります。
電話:096-431-0207
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